とろとろチャーシューの作り方

とろとろ柔らかチャーシュー

こんにちは、yunaです。
このブログでは理系大学院卒の私が、先行研究を参照し科学的な視点を加え、様々な料理のレシピを紹介していきます。 
今回は豚バラブロック肉を使ったとろとろチャーシューの作り方、レシピついてご紹介いたします。
コラーゲンの多い豚バラブロック肉は、ゼラチン化させることで柔らかく調理することができます。
コラーゲンの変性温度に着目して、とろとろ柔らかチャーシューを作りましょう。

とろとろチャーシューのサイエンス

以前低温調理チャーシューの記事でお話しましたが、筋肉を構成するたんぱく質は主にミオシン、アクチン、コラーゲンです。
これらのたんぱく質の変性を温度管理によりコントロールすることで、お肉をおいしく調理することができます。
ミオシン、アクチンについては低温調理チャーシューの記事で解説をしているので、こちらの記事を参照してください。
(あ、ミオグロビンなどの筋漿、筋形質たんぱく質もここでは無視しますごめんなさい。)

ここではコラーゲンというたんぱく質に着目して解説をしていきます。
低温調理チャーシューで用いたロース肉は、コラーゲンが多く含まれている脂身や筋の部分が少なかったのでコラーゲンを無視して解説を進めたのですが、チャーシューの王道はやはりコラーゲンを多く含む豚バラ肉です。
コラーゲンの性質を理解せずして先には進めないでしょう。

コラーゲンは脊椎動物の真皮や腱、靭帯、軟骨を構成するたんぱく質で、3本のペプチド鎖から構成されています。
コラーゲンはペプチド鎖が3重らせん構造をとっていて水にはほとんど溶けないのですが、加熱して変性させることで、1本鎖の水に可溶なたんぱく質になります。
これがゼラチンです。
何が言いたいかというと、

筋が多く含まれる固い肉の調理は、加熱してコラーゲンをゼラチンに変性させ、柔らかくする必要があるということです。

たぶん文字だけの説明ではイメージがつきにくいと思うので、もしコラーゲン、ゼラチンの構造に興味のある方がいらっしゃったらコチラをご覧ください。

新田ゼラチン - 01.基礎知識 | ペプチド研究室 | Web研究所 | 新田ゼラチン株式会社
新田ゼラチン株式会社の01.基礎知識をご覧いただけます。

問題なのはコラーゲンが変性する温度です。
まず、コラーゲンを加熱すると65℃程度から収縮しはじめ、構造が密になります。1)
第一段階目の変性です。
これが原因で、この温度帯ではお肉は固くなるでしょう。

さら加熱を続けると、70~80℃ほどでコラーゲンは徐々に変性しはじめゼラチンになります。
そうです。アクチンの変性する温度に足をつっこまないと第二段階目の変性は起きず、コラーゲンはゼラチンにならないのです。
65℃以下ではゼラチン化はほとんど起こらないか、ゼラチン化するのにかなりの長時間を必要とします。2)
つまり、

アクチンの変性を覚悟のうえで、65℃以上の温度でコラーゲンをゼラチンにしてやる必要があるのです。

まとめると、

ロース肉やモモ肉など赤みが多い肉はコラーゲンを気にせず63℃以下で真空調理・低温調理。

バラ肉やスジ肉などのコラーゲンを多く含む部位は65℃以上の温度で調理。

ということになります。
コラーゲンを多く含む部位は、65℃以上でとろとろに柔らかく仕上げることができます。

ただ、65℃以下の低温でも時間をかければゼラチン化が進行するらしいので、もしかしたらアクチンの変性を食い止めつつコラーゲンを変性させることができるかもしれません。
今度挑戦してみます。

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とろとろチャーシューの材料

豚バラブロック肉 2 kg
チャーシューのたれ 適量
ネギの青い部分 3本分
にんにく  0.5房分
しょうが 0.5個分

チャーシューのたれのレシピはコチラ。

にんにくは皮をむいて、しょうがは皮付きのままスライスしたものを用意しましょう。

とろとろチャーシューのレシピ

  1. 豚バラブロック肉をフォークなどでまんべんなく刺し、穴をあける。
  2. 豚肉をタコ糸で縛る。
  3. 鍋に豚肉が浸るくらいの水を入れ沸かし、豚肉、ネギの青い部分、にんにく、しょうがを入れる。
  4. 鍋から気泡がコポコポ出るくらいの火加減で豚肉に火を通す。(二時間くらい)
  5. 豚肉の柔らかさを確認しながら加熱しつづけ、ホロホロになって崩れてしまう前に豚肉を取り出し火を止める。
  6. ジップロックの袋などの密封できる袋に豚肉を入れ、チャーシューのたれと煮汁を1対1くらいの割合で、豚肉が浸るくらい入れて空気を抜く。
  7. 冷凍庫で冷やす。完成。

豚肉に穴をあけるのは筋切りをするためです。

豚肉を縛るのはホロホロになって崩れてしまうのを防ぐためです。
めんどくさかったら縛らなくても構いません。
表面を焼いて固めるのもありかも。メイラードで香ばしくなるし。
動画では一部焼いたブロック肉を使用してます。
一応ブロック肉の縛り方についてはコチラ。

豚肉の加熱に関してですが、肉を袋に入れて空気を抜いて真空調理にしてもいいような気がします。
今回は豚肉の脂を抜きたかったのと、煮汁を使いたかったから豚肉をそのまま煮ました。
煮汁はスープにでも鍋にでも使えるのですが、おすすめはこの煮汁を使った油そばです。
豚肉の旨みが溶け込んだ煮汁なので、めちゃめちゃおいしい油そばが作れます。
ラードとともに冷凍して保管しておいてください。今度レシピを紹介します。

あと、豚肉の温度に関してもかなりアバウトです。
こだわりたい方は温度計を使ったり、低温調理機を使ったりして温度制御をしてみてください。

真空パックする方法はコチラ。

チャーシューは冷やすと味が染みるので、たれに漬け込んでしっかり冷やしましょう。
大量に作って漬け込んで、袋のまま冷凍庫で保管しておくのがオススメです。
チャーシューの保存についてはコチラ。

参考文献
1)Bozac, L. and Odlyha, M. (2011) Thermal. Biophys. J., 101, 228–36.
2)中谷明紘 (1996) 肉の科学, p114, 朝倉書店

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