炊飯器を使った低温調理チャーシューの作り方

チャーシューサムネ

このブログでは理系大学院卒の私が、先行研究を参照し科学的な視点を加え、様々な料理のレシピを紹介していきます。
今回は炊飯器で作る低温調理チャーシューについてご紹介いたします。

豚肉は適切な温度、時間で調理すると驚くほどしっとりと仕上がります。
筋肉を構成するたんぱく質についてしっかり理解して、炊飯器でおいしい低温調理チャーシューを簡単に作りましょう。

低温調理チャーシューのサイエンス

豚肉は低温調理をすることで、柔らかくしっとりした仕上がりになります。
大事な点は温度、それにつきます。
そもそも肉、すなわち筋肉は主にタンパク質から構成されていて、このたんぱく質にはミオシン、アクチン、コラーゲンの3種類が存在します。
高校生物で習うミオシンフィラメント、アクチンフィラメントってやつです。
重要なのは、この2種類のたんぱく質の性質の違いです。
コラーゲンについてはコチラの記事でしっかり解説しています。

まず、ミオシンは比較的低い温度(40~50℃)で変性し、アクチンは高温(65~75℃)で変性します。1)
ミオシンは変性後も弾性率、すなわち食感がほとんど変化しません。
しかしアクチンは違います。
アクチンは変性すると弾性率が上がり、固い食感になってしまいます。
また、アクチンの変性に伴い重量減少がみられることから、筋原線維から水が放出され、パサパサしてしまうと考えられます。
よって、ミオシンは変性しても問題ないのですが、アクチンが変性してしまうほどの高温で調理することは避けることが望ましいでしょう。

しかし豚肉を生で食べてはいけません。
厚生労働省は肉の中心部分を63℃、30分に相当する時間加熱しなければならないと定めています。
すなわち、

アクチンが変性する65℃よりも低い温度で、かつこの加熱条件をクリアしてお肉を調理しなければなりません。2), 3)


今回はお肉の厚さも考慮して、62℃、4時間という条件で豚肉を調理していきましょう。

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低温調理チャーシューの材料

豚ロースブロック 900 g
しょうゆ 100 ml
料理酒 20 ml
みりん 20 ml

豚肉はどの部位を使ってもらっても構いません。
料理酒はうまみ、みりんは甘みを出すために入れています。

真空調理、低温調理チャーシューのレシピ

今回は炊飯器の保温機能を使って簡単にチャーシューを作っていきます。

  1. 豚肉を冷蔵庫から出し、常温に戻しておく(30分程度)。
  2. しょうゆ、料理酒、みりんを火にかけアルコールを飛ばし、冷まして調味液にする。
  3. 豚肉にフォークなどで穴をあける。
  4. ジップロックなどの密封できる袋に豚肉、調味液を入れ空気を抜く。
  5. 炊飯器に豚肉と62℃のお湯を入れ、保温のスイッチを入れる。
  6. こまめに温度を調節しながら62℃をキープし、4時間放置する。
  7. 4時間後氷水につけ冷まし、切って盛り付けて完成。今日はこれで決まり。

豚肉に穴をあけるのは、表面積を大きくして味をしみこみやすくするのと、お湯との温度差をなくすのと、筋切りのためです。

調味液はこのたれを使ってみてもよいかもしれません。

袋の空気を抜くときは水の入ったボウルに袋を入れ、水圧を利用すると便利です。
空気を抜く方法についてはコチラ。

ポイントはアクチンが分解する65℃に達しないようにすることで、かつ加熱殺菌条件でる63℃30分に相当する時間、お肉の中心を加熱することが重要です。

この時間は肉の厚さでも変わってくるので、今回は長めに4時間加熱しました。もう少し低い温度で長時間加熱するという手もあるので、いろいろな温度、時間で試してみてください。
一回一回お肉を取り出して中心の温度を測りながら加熱すると安全です。

低温調理チャーシューの動画

チャーシューの違いについての記事はコチラ。

参考文献
1)福岡美香, 酒井昇: 加熱調理の最適化を目指した物性変化の予測, 計測と制御, 54, 356-360 (2015)
2)お肉はよく焼いて食べよう, 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049964.html (2019/06/22閲覧)
3)低温調理 63℃30分と同等の加熱温度と時間, 減塩、低温調理はじめました。
https://genen-teiontyouri.com/2018/07/03/%E4%BD%8E%E6%B8%A9%E8%AA%BF%E7%90%86%e3%80%8063%E2%84%8330%E5%88%86%E3%81%A8%E5%90%8C%E7%AD%89%E3%81%AE%E5%8A%A0%E7%86%B1%E6%B8%A9%E5%BA%A6%E3%81%A8%E6%99%82%E9%96%93/ (2019/06/22閲覧)

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