チャーシューの保存法【冷凍or冷蔵】

チャーシュー保存

こんにちは、yunaです。
このブログでは理系大学院卒の私が、先行研究を参照し科学的な視点を加え、様々な料理のレシピを紹介していきます。
今回はチャーシューの保存法は冷蔵がよいのか、冷凍がよいのかについてです。
チャーシューの部位、調理法によって保存法は異なってくるので、このあたりを議論していきましょう。

冷凍保存のサイエンス

食材の冷凍保存は氷の結晶成長が大きく関わっています。
通常冷凍庫は0℃以下ですから、液体の水が氷の結晶になります。(液体の水から氷の結晶への相転移)
氷の結晶が成長するプロセスは、核形成と結晶成長の二つのプロセスに大別できます。
ざっくり言うと、液体の水から氷の結晶核ができるプロセスが核形成で、形成した微少な氷の結晶に水分子が結合し大きく成長していくプロセスが結晶成長です。
詳しくはまた今度お話します。
話を端折ると、水の場合は系の温度が低いほど核形成の頻度が増え、結晶が大きく成長しなくなります。
氷の結晶が大きく成長するのは最大氷結晶生成帯(-1 ~ -5℃)と呼ばれる温度帯で、この温度帯をいかに早く通過するかが結晶を大きく成長させないポイントです。
詳しくはこちらのサイトを参照してください。

家庭での冷凍・解凍の基本を、科学的な観点からまとめました | ベターホームのお料理教室
野菜・肉・魚などを家庭で上手に冷凍・解凍するようになるには、冷凍の科学的なメカニズムを知ることが有効です。「ポジティブ フリージング」を提唱するベターホームのお料理教室が、家庭での冷凍・解凍の基本をまとめました。

食材内部の氷の結晶は大きく成長することで細胞を壊し、解凍したときにエキスを流出させてしまいます。1)
よって、氷の結晶を大きく成長させないような冷凍方法が求められます。
これが急速冷凍という技術です。
氷の核形成頻度を上げ微少な結晶核をたくさん作り、氷の結晶を大きく成長させないのが急速冷凍です。

誰もがみんなこの急速冷凍を利用できれば食材の組織を壊すことなく冷凍保存できるのですが、家庭の冷凍室だとそうはいきません。
家庭用の温度が高い冷凍室を利用することになります。
そこで今回は水分量の違いで場合分けをして、冷凍保存をするかしないかについて議論していきたいと思います。
すなわちチャーシューを例にすると、

水分量の多い真空調理、低温調理チャーシューは冷蔵保存する。水分量の少ないゼラチン化したチャーシューは冷凍保存する。

という場合分けになります。

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チャーシューの冷蔵保存

真空調理、低温調理チャーシューは冷凍保存に向いてないと思われます。
真空調理、低温調理チャーシューのレシピはコチラ。

この調理法ではアクチンというたんぱく質が変性しないので、水分の損失が少なく、しっとりしたチャーシューになっています。
このチャーシューを冷凍後、解凍すると細胞が壊れてドリップがたくさん出てしまうでしょう。

よって、真空調理、低温調理チャーシューは冷凍保存に不向きで、冷蔵保存をするべきです。
冷蔵庫で保存し1週間くらいで食べ切るようにしましょう。

チャーシューの冷凍保存

比較的水分量が少ないチャーシューは冷凍保存しても問題ないでしょう。

このチャーシューはコラーゲンをゼラチン化するためにアクチンの変性温度以上の温度で調理しているので、水分が抜けて冷凍してもダメージを受けにくいです。
この記事では調理後お肉をチャーシューダレに漬けて、すぐに冷凍しています。
チャーシューを冷凍することのメリットとして、

  • 長期間保存できる。
  • 半解凍にすると柔らかチャーシューでもスライスしやすくなる。

など、いいことづくしです。
ゼラチン化が進んだチャーシューは冷凍保存して、1か月くらいで食べ切りましょう。

補足ですが、いくら急速冷凍で微少な結晶核をつくれたからといって、保存期間が長いと結晶は大きく成長していきます。
(表面エネルギー不利を小さくするために微少な結晶が溶けて大きな結晶はさらに大きくなる粗大化が起きます。オストワルド・ライプニングというやつです。)
結晶が大きくなると食材の表面積が大きくなり、乾燥や酸化といったいわゆる「冷凍焼け」にさらされることになります。
当たり前ですが料理はつくりたてが一番おいしいので、できるかぎり早めに消費するようにしましょう。

チャーシューを解凍する方法についてはコチラの記事でお話しています。

参考文献
1)鈴木徹 (2016) 食品の冷凍と水の挙動, 学術の動向, 21, 54-61

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