このブログでは理系大学院卒の私が、科学的な視点から様々な料理のレシピを紹介していきます。
今回は豆知識というか、「チャーシュー」のカテゴライズのお話です。
チャーシュー、叉焼、焼豚、煮豚。
調理された豚ブロック肉は様々な名称で呼ばれますが、みなさんは区別がつきますでしょうか?
この記事では人々を惹きつけてやまない、魅惑の「チャーシュー」についてご紹介していきたいと思います。
中国での「チャーシュー」
中国には叉焼肉(チャーシューロウ)という豚肉を焼いた料理が存在します。
これは
- 豚のヒレ肉または肩ロース肉を塩・胡椒で下ごしらえする。
- 紅糟(ホンザオ:中国の調味料)を肉にすり込み、一晩置く。
- 肉を洗わずにパッパと手で紅糟を落とす。
- 約180度に予熱したオーブンに入れる。家庭では魚焼きグリルで代用してもよい。
- 40-50分ほど、串を中心まで刺して赤い肉汁が出なくなるまで加熱する。
- 一旦取り出し、肉全体に麦芽糖水飴か蜂蜜を塗り、裏表を1分ずつ焼き、照りをつける。
といった手順で作られるもので、1)日本の「チャーシュー」の語源であると考えられます。
また、中国には焼豚もあり、これは
皮つきの豚のバラ肉に塩と五香粉など香辛料を塗布し、炉で茶色に焼いたもの
です。1)
部位や香辛料の違いはありますが、叉焼肉も焼豚も豚肉の表面を焼いたものであると記述されています。
さらに中国には醤肉(ジャンロウ)というものもあり、これは
- 豚の肩ロース肉あるいは三枚肉をたこ糸で巻いたり、タコ糸のネットで形状を整えたりして、崩れるのを防ぐ。
- 醤油を主とし、長ネギ、ショウガなどの香味野菜や砂糖・味醂などを使用したスープで煮込む。
上記に加え、醤油タレにつけたり、フライパンで炒め焼きしたり、バーナーやオーブン等で焼いたりする場合もある。
といった調理法で作られます。1)
以上が中国における「チャーシュー」に相当するものでしょう。
日本での「チャーシュー」
日本では上記の叉焼肉や焼豚のような、焼くという調理を経験するものは「チャーシュー」と呼ばれない気がします。
調味料の違いはありますが、オーブン等でロース肉を焼いて調理するものは、焼豚と呼ばれるでしょう。
日本の「チャーシュー」に近いのは、醤肉だと思います。
いわゆる「煮豚」の作り方です。
調理の最初か最後に表面を焼くことはありますが、基本的には煮るという工程でロース肉やバラ肉の内部に火を通していくものです。
まとめると、
叉焼 ≒ 焼豚 ≒ 本来の意味のチャーシュー
焼くことで火を通す。
日本のチャーシュー ≒ 煮豚 ≒ 醤肉
煮ることで火を通す。
のようなイメージです。
ご理解の一助となれば幸いです。
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参考文献
1) チャーシュー, Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BC (2019/06/27閲覧)